千葉 直紀

DEの外観や全体像を、視覚的に俯瞰して見ることができる「絵地図」

▼Prezi『DEやってみよう!_ver1.5』▼

http://prezi.com/my8gkimhpcch/?utm_campaign=share&utm_medium=copy

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 このプレゼンツールPreziで作成した『DEやってみよう!』は、CSOネットワーク主催『伴走評価エキスパート育成プログラム(2017年度)』で研修生が行ったDEの実践をもとに、事務局がDEの一連のプロセスを1枚の絵地図にまとめたものである。

 冒険に出るときは、「地図」が必要だ。『DEやってみよう!』は、ソーシャルイノベーションやシステムチェンジを見据えてDEを実践するときの「地図」の役割を果たしてくれる。全体像を見ながら、今自分がどこにいて、これからどこに向かうべきかの示唆を与えてくれるかもしれない(与えてくれないかもしれない)。

 実際にこの図を見ていただくと、DEは、従来型の評価と重なるところがありながらも、その前段階のステップがいかに長く手厚いかがわかるだろう。

 従来型の評価(目的設定・設問づくり・データ収集・分析・価値判断)以外のステップが長いのは、DEが事業や事業者の学習・適応・発展を目的としているからである。DE実践者が状況を観察・分析し、常に事業者との関係性の構築や評価を効果的に進めるための伴走における勘どころや、その絶え間ない状況把握などに重点を置いている。

 DE提唱者であるマイケル・パットン氏でも示されていなかった全体像と一連の流れを、このように示したことは画期的であると思う(自画自賛)が、これにとらわれ過ぎてはいけないということもお伝えしておきたい。

 なぜならばDEが前提としているのは「複雑な世界観」だからだ。ここでは状況は常に流動的であり、何事もIt depends on situation.(状況によりけり)なのだ。あくまでも状況を観察して、必要と思われる動きをおこなっていく必要がある。そのために、このDEの地図が少し役に立てば良いという程度に考えていただきたい。

 なお、これを英語版にしたPrezi『Practicing_DE』もある。2018年度のヨーロッパ評価学会(EES、Thessaloniki)でCSOネットワークの今田が発表したものだ。

▼Practicing_DE(Prezi、English)▼

http://prezi.com/eqbamsx8h-77/?utm_campaign=share&utm_medium=copy

 余談だが、この英語版に対して、我らがKateからは、以下の2点のフィードバックをもらっている。まだまだこのPrezi『DEやってみよう!』自体が発展していく余地が残されていることがわかるだろう。

Kate McKeggからのフィードバック

①DEは“プログラム”評価の範疇にとどまらない。世界中の多くのイノベーターが行っている変化を生み出すためのアプローチは、プログラムやサービスレベルだけではなく、運動、キャンペーン、プラットフォーム、アドボカシー戦略など多々あり、どれも“プログラム”モデルに適合しない。問題解決のための協調的かつコレクティブ(集合的)なアプローチが必要である。

②標準的な評価ではこのような流れであるが、DEではデータソースを決定する前に、価値基準を設定する必要がある。                 

<主な流れ>

1.Purpose(目的の設定)

2.Setting Evaluation Questions(評価設問の設定)

3.Deciding on evaluation criteria – what is valued(何が価値か、評価基準の決定)

4.Deciding on the data we need(必要なデータの決定)

5.Collect, analyse, synthesise and summarise evaluation results(評価結果の収集、分析、統合および要約)

6.Provide evaluation feedback(評価フィードバックの実施)