1.複雑系理論

社会課題は、複雑系(complex system)で考えることが当たり前となりつつあります。複雑系は、「相互に関連する複数の要因が合わさって全体としてなんらかの性質(あるいはそういった性質から導かれる振る舞い)を見せる系であって、しかしその全体としての挙動は個々の要因や部分からは明らかでないようなもの」(Joslyn, C. and Rocha, L.(2000))と定義されています。

複雑系は、「非線形 Nonlinear」、「生成・創発 Emergence」、「適応 Adaptive」、「不確実性 Uncertainty」、「動態 Dynamic」、「共進化 Coevolutionary」という特徴を持っています。社会課題を解決するためには、このような特徴を理解した上で事業を行う必要があります。

現実世界は、単線モデルで説明・予測できるものは限られており、複雑系の考え方や理論をあてはめて考えることにより、革新が進みつつあります。社会、組織、個人の単位にいたるまで、新しい考え方を浸透させていく必要があります。我々は複雑系理論の考え方を駆使して、従来のアプローチでは対応しづらい分野についても挑んでいきます。

 

2.システム思考

システム思考とは、対象をシステムと捉えて分析する思考技法のことです。分析対象を複数の構成要素からなるシステムとして捉え、各要素がどのように相互に影響を与え合いながら、全体としてどのような機能を果たすのかを考えるアプローチです。

システムは、「複数の構成要素が相互作用しながら全体としてまとまった機能を果たすもの」と定義されています。システム思考で対象にするシステムは、国際社会・国・地域、市場・業界・企業、大小様々な組織、職場や家族の人間関係、多様な個人などです。

システム思考では物事をありのままに見て、また、さまざまな要素がどのようにつながっているかを見える化し、関係者間で話し合えるようにさまざまな見える化ツールを活用します。複雑系は、このシステム思考抜きには取り扱うことができません。