状況対応型の評価であるDEを、どう一般化・標準化が求められる研修に落としこむのか。研修事務局のもやもやを紹介しつつ、研修メニューや研修参加者の声についても紹介する。
CSOネットワークが主催する『伴走評価エキスパート育成研修』、通称『DE研修』は、社会的課題の解決に取り組む事業や組織の成長促進を支援できるような評価の実践家である『伴走評価エキスパート』を養成する研修だ。その特徴や事務局の想い、受講生の感想などを紹介したい。
▼CSOネットワークの『伴走評価エキスパート育成研修』の紹介ページ▼
https://www.csonj.org/activity2/human-resource/expert-participants-2018
1.『DE研修』のこれから
2.DEをプログラムにすることについて
3.研修受講生の感想の紹介
1.『DE研修』のこれから
CSOネットワークでは、日本財団の助成を活用し『伴走評価エキスパート育成研修』を2017年~2018年に開催し、30名以上のDE実践者を輩出した。2019年以降は、人材育成の面では以下のような内容で取り組みを進めていきたいと考えている。
①DE入門セミナー:評価を学んでいない人を含め、どなたでも(非営利・企業・行政などのセクター問わず、事業者・支援者など)参加いただける入門セミナー(2時間程度)。
②DE短期集中研修:役に立つ評価としてのDEの考え方を普及させるために、評価者(orマネジメント支援者)向けの短期集中研修(半日/1日/2日程度)。
③DEウェビナー(WEBセミナー):不定期で、DEや評価に関する様々なテーマで開催予定(最大2時間程度)。
④DE実践者の相互サポート:DEのチーム実践や、DE実践者のサポートを実施する。
上記以外にも、地域に出向いたり、組織内での研修も承りますので、お気軽にお問い合わせください。担当:千葉 eval@csonj.org)
2.DEをプログラムにすることについて
本研修を組み立てるにあたりこだわったことを、2017年度研修設計を担当した白石邦広氏がブログに書いている。
【DEをプログラムにすることについて】(白石邦広、伴走評価エキスパート研修スタッフブログ)
3.研修受講生の感想の紹介
以下に、2017年度の研修参加者の声を紹介する。
- 自分自身にとても役立った。伴走先に対しても「普段の評価」の姿勢で取り組むよりも、良い影響があったと思う。
- 評価をやらなきゃ!という感覚ではなくなった。取れないデータは取れなくてもよい、できないことは無理にやらない、あくまで本業が根幹。でも、データで気づきがあった場合に、それを逐一共有する。逐一共有したものを積み重ねていくことで、報告書にする、というスタンスがとても自然になり、無理がなくなったと思う。
- 評価の仕方が変わったというよりも、自分が手がけてきた評価を伴走評価と位置づけられることに気づけた点が大きかった。評価のあり方を狭く捉えるのではなく、柔軟に考えることが必要であると分かった。
- DEという柔軟に活用できる評価アプローチが身についた。
- 「なぜ」と「なんのために」を、自分の中で繰り返す習慣がついたことは、大きな変化だと思います。 また、伴走支援や評価の実践だけではなく、様々な場面で、DE研修でのフレーズが思い起こされ、自分のやるべきことや立ち位置を振り返るきっかけになっています。
- 複雑な状況をより丁寧にとらえるようになった。相手にあわせた柔軟なツールを使うようになった。評価をより徹底的に実用重視するようになった。
- 評価について学ぶのと同時に、伴走支援者としての考え方や姿勢を学ぶことができ、とても視野が広がったという実感があります。なにより、研修生の皆さんや事務局の皆さんと過ごした時間、これからも続くであろう関係は、私の財産になりました。